一般に体を温める食べ物が体によく、冷やすものは体に悪いというイメージが強いですが、夏の暑い日には体を冷やす食べ物が非常に役に立ちます。

自然の力はすごく理にかなっていて、夏が旬の野菜、フルーツこそが体を冷やす働きがあるとか。

夏野菜には水分やカリウムが豊富に含まれており、しっかり食べることで水分補給になるとともに、カリウムの働きで体内の水分バランスを整えてくれ、むくみやだるさを解消してくれます。

旬の食べ物には、その時期を健康に過ごすための性質と栄養素が詰まっているのだそう。購入もしやすいので積極的にとりましょう。

体を冷やすと言われる食べ物の見分け方

• 色で見分ける

冷やす食べ物→青・白・みどり

葉野菜（キャベツ、レタス、水菜、ほうれん草など）きゅうり・なす・ゴーヤ・オクラ・牛乳・白ワイン・ビール・うどん・洋菓子・白砂糖・豆腐など

温める食べ物→赤・黒・橙

根菜（ごぼう・ニンジン・大根など）・たまねぎ・チーズ・赤ワイン・黒ビール・そば・和菓子・黒砂糖・海藻など

• 産地で見分ける

冷やす食べ物→南方産

バナナ・パイナップル・みかん・レモン・メロン・トマト・スイカ・カレー・コーヒー・緑茶など

温める食べ物→北方産

りんご・さくらんぼ・プルーン・ぶどう・そば・鮭・タラ・えび・いか・紅茶など

• 軟らかさ・硬さ

冷やす食べ物→軟らかいもの（水分が多い）

白パン・バター・マヨネーズ・クリーム

温める食べ物→硬いもの（水分が少ない）

玄米・小豆・チーズ・あんこ

とはいえ、科学的根拠はあるのか

実は、体を温める・冷やすという状態の定義があいまいであり、感覚的にはともかく、栄養学・科学的な研究結果や論文は特にないとか。

体を冷やすと言われているものは、冷房や冷凍設備のない時代の中国で経験に基づいて作られた東洋医学的な分類で、冷房の発達した現代で当てはめるのは疑問です。

ただ、体を冷やす食べ物とされているものの共通項はカリウムが多い点、水分量が多い点です。

カリウム、水分量は体を冷やすというのとどのように関係があるのでしょうか？

なぜ、食べ物で体が冷えるのか

私たちの体は食べ物を摂取することでその栄養分をエネルギーに変える働きをしており、体内で作られるエネルギーの約75％以上は熱へと変換され、体温を一定の温度に維持するという役割を果たしています。

胃や腸で食べ物を消化するときには、一度胃腸に入った食べ物や飲み物を温める過程があり、その際にも体内の熱が消費されています。

体を冷やすと言われている食べ物を摂取した場合、水分が多い分胃腸に取り込まれた食べ物を温めるのに、より多くの熱を必要とするため、体の中の熱が奪われやすくなります。

また水分量の多さから利尿作用が期待され、カリウムはナトリウムの排泄作用があるので、熱を外に放出することでクールダウンが見込めます。

冷たいものにはご注意

冷やしたものを食べることで体を冷やすのは一時的には効率的なように感じますが、食べすぎ、飲みすぎには注意しましょう。

キンキンに冷やしたものはただでさえ暑くて弱っている胃腸の働きをさらに弱めてしまいます。

利尿作用によって体内にこもった熱の放出の助けにはなりますが、必要以上に排出され、脱水症状に陥ってしまう場合があります。

アルコールやカフェインの入った冷たい飲み物ではなく、野菜やフルーツ、ノンカフェインの飲み物でしっかり水分補給しましょう。